塩田を見に行く

 仕事でたまにバンコクから西の方へ行くのですが、パクトーで国道4号線と合流する国道35号線(ラマ2世通り)を1時間ほど走ると道の両側に延々と塩田が広がって来る風景をよく目にしていました。

 「サムット・サコーン県は製塩で有名」という話は聞いたことがあるし、観光ガイドなどには必ずそう書いてあります。(他にあまり特色が無いのかな?)このあたりを走っていると道ばたでやたらと塩を売っている売店が多いので、なるほどそういう土地柄なのかということはすぐわかります。しかし、どのような製塩方法でやっているのかまで思いが巡らなかったので、最初の頃は塩田を見ても何だかわからず 、漠然と水田かなと思っていたくらいでした。ある時「なるほどこれが全部塩田なの だ。」とわかったのですが、今回は大勢の人が作業をしている場に行き当たったので写真を撮って来ました。 

 日本古来の製塩方法を調べてみると、いずれの方法でも、まずは海水を濃くした”かん水”を作って、最終的にそれを煮詰めて塩を取ると書いてあります。しかし、ここの塩田はその場で塩らしきものが取れてしまうのです。もちろんそのままでは売り物にならないのでしょうが、さすがは灼熱のタイ。

  

 このような風景が延々と広がっているのです。車の中からでは泥田の様にしか見えなかったのですが、隅っこの方を見てみると確かに少しずつ塩が。だいたい2〜3週間くらいで塩が取れるそうですが、雨が降ったら振り出しに戻る?!

  

 塩を熊手のようなものでかき集めて沢山の小さい山を作り、それを沢山の男達が運んで行きます。 38度はあろうかという状況の中での肉体労働は相当きついでしょう。しかも、直射日光を避けるためか全員が長袖で作業。 それにしてもこの人達、いったいいくらもらっているのか?天候に左右される仕事ですから、おそらく日雇い扱いではないかと思いますが、法定最低賃金程度ならば一日150バーツくらいのものです が、それすら保証されていない可能性も。

   

 この風車で海水をくみ上げています。 いかにも手作りの木製風車で、ギクシャクしながら回っていました。強い風が吹いたら簡単に壊れそうですが、帆は折りたたみ式です。海からは数kmはあるみたいですが、地中に直径20cmほどのパイプが埋めてあり、そこを伝わって海水が引かれています。もしかすると海面より水位が 低いのかも。

   

 塩の山の上にエラそうな親方が陣取っていて、運んでいる兄ちゃん達にあれこれと指示したり、檄を飛ばしたりしています。この暑い中で気合いを入れろと言われても相当キツいものがあるでしょう。見ているだけのこちらだってもう汗だくです。同じビンボー人として、思わず兄ちゃん達の方に感情移入。<トモフミ>

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