追記(2003年5月20日)

前回のレポートで「ここはホイ・ロートという貝がたくさん獲れるので有名です。」と書いておきながら、肝心のそのホイ・ロートの説明も写真も無いということで、ずっと気にかかってました。実は前回はソンクラン(仏教正月)のまっただ中で、皆さんお仕事を休んでいたせいか見つからなかったんですね。小生、根が誠実なものですから、今回 仕事のついでにちょっと寄って敵討ち?をしておきました。

何とホイ・ロートとは巻き貝じゃなくて二枚貝でした。ちょっと見るとわかりにくいですが、昔の印鑑入れみたいな形です。

1キロ100バーツで売ってましたが、「バケツもくれ。」と言ったら20バーツよけいに取られました。

普通はこのように串に刺して、甘くて辛〜いタレを付けて焼いて売っています。日本語の「甘辛い」というのとは辛さの度合いが違います。ひと串10バーツ。辛さを除けば、貝の佃煮といった感じです。

運のよいことにちょうど引き潮で皆さん仕事(潮干狩り)をしています。広大な干潟が広がって、遠くの方にポツンポツンと見えているのが人影です。

下の方の写真と同じ場所で撮影したのですが、引き潮だとまったく印象が違いますね。

ドン・ホイ・ロート(2003年4月15日)

 昼休みとかヒマな時 などに、よく地図を見るんですね。いつものようにタイの地図(WINDOWS用のアプリで750バーツもしたんです)をスクロールしながら眺めていると、サムット・ソンクラムのあたりに 何と!山のマークがあるではありませんか。しかも海岸ぎりぎりみたいです。ドン・ホイ・ロートと書いてあります。 何だかちょっとヘンですよね。

 食事から帰ってきたスタッフに「これ何?ここに山があるの?」と聞いてみました。「そんなことは聞いたことがありませんが、ここはホイ・ロートという貝がたくさん獲れるので有名ですよ。 シーフード・レストランがたくさん並んでいるそうです。」とのこと。

 さて、いつもの悪い癖なのですが、ここから仕事そっちのけで調べ物を始めてしまいました。なんだか出張報告書みたいですが、こんなことが解りました。

@ドンというのは小高い丘や洪水にならない程度の高い土地のことで、けっして山のことではありません。ドン・ムアン空港のドンも同じらしいです。しかし、タイ英辞書では「HIGHLAND」と訳語が付いて いて、これでは何だか高原の様で誤解を招きます。Aホイ・ロートという貝はどうもマテ貝のような細長い巻き貝のようで、当然身も細長く、串に刺して甘辛いタレを付けて食べるのが主流のようです。

 それからというもの、一度ここへ行ってみたくてどうしようもなくなり、とうとう土曜日の午後に出かけてみることにしました。バンコクからサムット・ソンクラムまでは国道35号線(ラマ2世通り)をほぼ一直線に走って約80Kmです。 ガソリンスタンドで寄り道をしたりしながらで2時間弱で着きました。

  

 しかし、このソンクラムというタイ語は「戦争」という意味なんですが、不思議な名前ですね。 いろいろ調べては見たのですが、言葉の意味は解っても由来は解りませんでした。ラーマ二世(1809〜1824年)の頃からイギリス・フランスなどが植民地拡大を狙ってインドシナ半島へ進出してきていたので、海の守りが大切だったのでしょうね。ちなみにビルマとイギリスの戦争が始まったのが1824年で、負けて植民地になってしまったのが1886年です。ベトナムは1847年からフランスと戦争を始めて1884年には完全な植民地になっています。つまり、ラーマ五世(1868〜1910年)の時代には、 タイは植民地のドミノ現象にさらされていたというわけです。そういう時代背景の中で、ラーマ5世の息子(海軍大将だった)がこのドン・ホイ・ロートに祀られています。 ちょっと見るとお寺の様ですが、いわゆる霊廟です。

  

 このあたりはちょっとした海辺の公園の様になっていて、土曜日ということもあって多くの家族連れがくつろいでいました。近くには海にせり出したテラスのようなシーフードレストランやシーフード屋台(その場で調理してくれる)などが沢山ありますので、ちょっとしたハイキング気分が味わえるのです。 「貝だけでなく、カニも有名なんだ。日本のテレビが取材に来たこともある。」と屋台の兄ちゃんが行ってました。(ちなみに知り合いに聞いてみたところ、中京テレビの取材でなんと石田純一が来たそうです。)

  

 さてさて、「ドン」という名前の由来の「小高い丘」という意味なのですが、なるほど海岸線の所を見ると、急にストンと海に落ちるみたいになっています。日本で見たら別に何と言うこともないのですが、タイは土地が低いところがほとんどですので、海岸線というのはだいたい湿地帯というか泥沼の様になっているのが普通なのです。この様に護岸工事のしてある所などはほとんど見たことがありません。

 

  たくさんの子供達が水に入って遊んでいます。水から上がってしばらくすれば服など簡単に乾いてしまうでしょう。4月・5月のタイは本当に暑いです。ところで、小さなボートが沢山ありますよね。これ、観光用の船なのかと思ったら、何とタクシーだそうです。そういえばバイク・タクシーの兄ちゃん達と同様に番号付きのベストを着ています。ここから海岸づたいに行って、運河の中へ入って家へ帰る、という形で外と行き来している人が沢山いるのだそうです。つまり、自分の家に帰る道路が無いということなんですねぇ、ビックリ。<トモフミ>

 

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