運河の夕陽・お祭りの夜

 「バンコクは海に接していますか?」と聞かれたらどう答えますか?

 こちらに住んでいる人ならともかく、そうでなければ「チャオプラヤ河の対岸のトンブリ地区もバンコクである。」ということさえ知らない人も多いのではないでしょうか。そのうえ、左の地図のようにバンコクが海に接しているということを知っている人は意外と少ないと思います。王宮のあたりから直線距離約40km、サムット・プラカーン県とサムット・サコーン県に挟まれたバン・クン・ティアン区で、ほんのちょっとだけ海に接してい るのです。

 このソンクラン(仏歴正月)の休日に、アホなS君とサイト管理人私テラワダは、まったくの思いつきで「このバンコクが海と接しているところを見に行ってみようじゃないか。」と思い立ちました。(相変わらず 無意味なことばかりしています。)

  さて、いつものように「早速行ってみよう。」と軽はずみに言ってはみたものの、地図の上ではバン・クン・ティアン通りが途中で無くなってしまっています。その先がどうなっているのか、海までたどり着くことが出来るのかどうか まったく分かりません。

 ラマ2世通りからバン・クン・ティアン通りに入って10〜15Kmくらいで 大きなシーフード・レストランを10件あまり通り過ぎます。そのまま、しばらく行くともう舗装道路ではなく砂利道になってしまいました。両側は、どうも元は魚やエビの養殖場だったといった感じで、大きな池というか巨大な水田のような風景になってきます。「たぶん海はこっちの方ですよねぇ。」などと適当なことを言いながら進んで行くと、三叉路があって細い道路に突き当たりましたので右(西)に曲がって みました。

後からこの道が気になっていろいろ調べた のですが、 本当にどの地図にも載っていないのです。諦めかけた頃、650バーツもする超高級?大型地図帳でとうとう見つけました。思わず買ってしまいました(合掌)。それによるとサムット・サコーンまで続く国道3423号線 ということでした。とても、国道とは思えないような細い道だったのですが。 

  

  さて、しばらく行くと左手(南側)にコンクリートの橋があったので渡ってみました。下にとても広くて大きな運河が通っています。これは有名な?サパ・サミット運河です。上の地図を見て頂くとおわかりのように、チャオプラヤ河と ターチン川を結ぶ、なんだかハイウェイみたいな長〜い運河です 。そこいらの小さな運河とは格が違うゾという感じです。もうこの時は夕暮れ時だったのですが、しばし 呆然と運河の向こうに沈む夕陽に見とれてしまいました。向こうの方から小さな船もやって来ます。家へ帰るところなのでしょうか。

  

 橋を渡った向こう(南側)はいよいよ田んぼのあぜ道を少しだけ広くしたような泥道です。意を決して突き進んでみると、もう完全な凸凹道。揺れて揺れてどうしようもありません。おそらく雨が降ったら車は走れなくなるのじゃないでしょうか。構わず突き進んでいくと 小さな運河がありました。こんな所でも周りにポツンポツンと家が建っています。 家の周りには雨水をためておく瓶がいくつも並んでいます。遠くに小さな漁船も見えますので、漁業で生計を立てている人達なのでしょう。 海はすぐ近くだと思うのですが、これ以上車で進むことは出来ませんでした。歩いて行けば何とか海へたどり着けるのかも知れませんが、どうも人様の家の敷地に無理矢理入って行くような感じなので諦めました。

  

 さて、「これじゃあ記事にならないねぇ。」「HPにUP出来ないんじゃ全くの無駄足だったねぇ。」などと嘆きつつも、「もっと違う所に行ってみたら何かあるかも知れませんよ。」とS君。生来のオプティミスティックな性格には頭が下がります。そこで、先ほどの三叉路をそのまま東の方に突き進んでみました。ここも凸凹の泥道(国道3423号線!)なのですが、 その割には妙に車の通りが多いのです。3Kmほど行くと大きなお寺がありました。ワット・タンマ・クナラームという名前です。タンマというのはパーリ語で「お釈迦様の教え」「法」=ダーマ(梵語)=達磨ということのようです。クナラームというのもパーリ語なのですが、意味がわかりません。

  遠くから見ても妙に境内が明るいので不審に思って近づいてみると、年に一度のソンクランのお祭り(14〜16日の三日間)だそうです。「おーっ、これでHPのネタが見つかった。」と二人とも大喜び。「だから言ったでしょう。諦めちゃいけないって。」とS君も悪ノリです。

本堂の前はイルミネーションでピカピカです。

大きな僧坊の屋根の上にちっちゃな月がかかっています。

いろんな飲み物があるのですが、コンデンスミルクたっぷりの甘〜いコーヒーがオススメだそうです。

この三日間の出し物・出演者が書かれています。手前はちっちゃなメリーゴーラウンドなのですが、暗くて何だか解りませんね。

チープなおもちゃ屋さん 。シャボン玉セットとか子供の頃を思い出します。

ホイ・トートのオジサン もんじゃ焼きみたいなものにちっちゃなムール貝とかカキなど絡めたものです。

ミニ・クレープみたいなお菓子。

1個1バーツ!1個下さ〜い。

運河の脇に別院のようなものが。

ドリアン売りのオバちゃま

  S君はドリアン売りのオバサンに 妙に気に入られてしまいました。「今夜はどこに泊まるの?明日(16日)の朝、みんなで船に乗って海まで行くから一緒に行こう。(たぶんお祭りの一環なのでしょう。)」と誘われてしまいました。「オバサンのウチに泊めてもらえばいいのにィ。オレは一人で帰るからサ。」などと言ってもかたくなに拒否。オバサンの話では、先ほど来た道は去年まではホントに細い道で、みんな歩いてお寺に来ていたそうです。 なんとか車で来られるようになってから初めてのお祭りだそうで、「今年はたくさん人が集まるよ〜。」と喜んでました。ローカルなお寺というのはこんな地元の人達に支えられているんでしょうね。 また来年も来ようかと思ってしまいました。

  S君、最後に「100バーツでいいからお寺に寄進して行け。」と言われてましたが、「ボク、ビンボー。」とキッパリ拒否。 徳を積んでおいたら何かいいことあるかも知れないのにねぇ。<テラワダ>

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