新しいバンコク・ノーイ駅 

  トンブリ駅あるいはバンコク・ノーイ駅から「ナム・トック行きの列車に乗ってカンチャナブリへ行ってきました。」というようなレポートはインターネット上にはずいぶんと載っています。検索すればびっくりするくらい沢山見つけることが出来ます。また、鉄道系のサイトでは 現地在住の我々でも知らないような貴重な情報などが載っていて勉強になりますが、タイ国鉄に関連したホーム・ページでバンコク・ノーイ駅に言及していないものはまず無いと言えるでしょう。ですから、バンコク・ノーイ駅がマイナー・スポットと言えるのかどうかというのは、仲間ウチでも論議があったんです ね。(なぜこんなことを論議するの?)

 ところが、我々が調べた限り、未だにトンブリ駅(バンコク・ノーイ駅)の旧駅舎時代のまま掲載されているサイトも多いようですし、新駅舎に移ってからは、どう見てもこの駅はマイナースポットに転落しているじゃないか、という結論に達しまして、早速小生が派遣?されることになりました。近々駅が丸ごと博物館になるらしいという旧駅舎の現状については、別のぺージでレポートします。

 バンコク・ノーイ駅はチャオプラヤ河を挟んで王宮の反対側あたり、ちょうどタマサート大学の対岸になります。かつてはバンコクを代表するターミナル駅だったのですが、ラマ6世橋が架かって南へ行く線路と北へ行く線路が結ばれてからは、すべての優等列車がフアランポーン発となってしまい、寂れる一方でした。そのうえ、2000年に駅が移転してからは駅の外観も単なるローカル駅のようになってしまいました。今では一日にたった7往復のローカル列車が発着するだけです。そのうち2往復がカンチャナブリ経由でナムトックまでの列車ですが、土日にはフアランポーン発着のツアー列車が設定されているため、この点でもかつてのようなにぎわいは無いようです 。

  

 この駅の名前については少々混乱するのですが、タイ国鉄の駅名表示板の表記に従えば、かつての旧駅はトンブリ駅と表記されており、新駅にはバンコク・ノーイ駅と表記されています。 しかし、一般のタイ人はずっと昔からバンコク・ノーイ駅と呼んでいたようですが。もしかすると、昔はバンコク・ノーイ駅があって、それをいつかトンブリ駅と改称して、今回の移転で元のバンコク・ノーイ駅に戻した、ということも考えられますけどよくわかりません。

  

 さて、昼下がりの駅の様子ですが、本当に田舎のローカル駅みたいな風情で、駅員さんも何にもやることがないのでおしゃべりしているだけ、という感じでした。それはそれでのどかでよいのですが、これがバンコクの中心部からほど近いところにあるとはちょっと信じられないほどです。この時の時刻は午後の2時半位だったのですが、次の出発は17時10分、到着も16時08分ですから、駅でのんびりとしている人達のほとんどは、乗客ではないのじゃないかと思いました。

  

  

 構内に停まっている列車の行き先表示板、いわゆるサボというやつですが、これを見ると、トンブリ〜ランスワンと書いてありまして、ここにはバンコク・ノーイ駅の名前はありません。このような駅ですから、特別見るものも無いので、駅員さんに頼んで停まっている列車の中を撮影させてもらいました。車内のシート配列が違いますが、どちらも三等車ですね。子供の頃乗った山陰線の列車を思い出しました。 真ん中の写真が切符売り場で、右側の写真が時刻表です。この時刻表は手書きなんですが、何でこんなにきれいに書けるんだろうというくらい端正な文字でしたよ。

  

 駅の前はお決まりの市場になっているのですが、名前を聞いたらタラート・マイ、つまり新しい市場と言ってました。旧駅の所から移ってきたばかりで、まだちゃんとした名前が無いだけなのかも知れません。右側の写真のトラックにの荷台に屋根を付けたものはソン・テウと言って、トラックをバスとして使っているということなのですが、これで旧駅との間の送迎をただでやってくれるそうです。旧駅に行く必要があるんじゃなくて、すぐそばの船着き場から向こう側へ渡る人がまだまだ沢山いるということなのでしょうね。そのような人達にとっては、とても不便な駅になってしまいました。<テラワダ>

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